瀬戸市で顎関節症にお悩みの方へ
「口を開け閉めするときに顎に痛みがある」「口を開けた時にゴリッ、ガクッといった異音がする」「指3本分、口を開けられない」
これらの症状が見られる場合、顎関節症の可能性があります。
顎関節症は、20~50代の幅広い世代にみられ、特に女性に多く発症するとされています。中には症状が長引くケースもありますが、多くの場合は適切な治療で改善が期待できます。
当院では、スプリント療法(マウスピース治療)をはじめ、生活習慣の見直しやセルフケアのアドバイスも取り入れながら、総合的な治療を行っています。「痛いけど我慢している」「このくらい大丈夫だと思っていた」そんな方こそ、お早めにご相談ください。
顎関節症の症状
顎関節症では、主に以下のような症状が見られます。会話や食事に支障が出ることもあります。
- 口を開け閉めするときの顎の痛み
- 口を開けた時に異音(ゴリッ、ガクッ等)がする
- 口を大きく開けられない(指3本分)
- 特に硬いものを噛んだ時に痛みが出やすい
- 顎関節を押した時に痛む
- 口の開け閉めの困難(ロッキング)
顎関節症の原因
顎関節症は、多くの場合、複数の要因が重なって発症します。原因を特定できないこともありますが、多角的な視点からアプローチすれば、改善は可能です。
- 歯ぎしり、食いしばり
- 上下の歯を接触させる癖
- うつぶせ寝、頬杖
- ストレス
- 女性ホルモンのバランスの変化
- 長時間の下向きの姿勢(スマホ利用時など)
上記のような要因が慢性的に顎関節に負担をかけたり、緊張させることで、顎関節症を発症するものと考えられます。
顎関節症の治療
スプリント療法
当院では、顎関節症に対するスプリント療法を行っております。
スプリント療法とは、歯ぎしりや食いしばりがある方に対して行う、マウスピースを使った治療です。マウスピースは主に就寝時に装着します。噛んだ時にマウスピース分の高さが出ることで顎の筋肉がリラックスし、顎関節への負担が軽減されるという治療です。
スプリント(マウスピース)の種類
前歯接触型
主に、咀嚼筋の痛みがある方に使用します。
前歯の部分だけ、下の歯と接触するタイプのマウスピースです(マウスピースは通常、上の歯列に装着します)。接触によって無意識に口が開く(開口反射)ため、噛み締め・咀嚼筋の緊張を軽減できます。
全歯列接触型
幅広い症例に対応できるマウスピースです。
上の歯と下の歯列のどちらか、あるいは上と下の歯列全体を覆う形をしています。顎の位置・噛み合わせを安定させ、筋肉の緊張・顎関節の負担を軽減します。
下顎前方整位型
顎関節内にありクッションの役割を果たす「関節円板」がズレている症例に使用します。
マウスピースの突起により、下顎を正しい位置へと誘導し、顎の痛みや異音の改善を図ります。
生活習慣の改善
うつ伏せね、頬杖など、癖や習慣に対する指導・アドバイスをいたします。ストレスを溜め込まないことも大切です。
顎関節症で受診する目安
以下のような場合、顎関節症が強く疑われます。難治化させないためにも、できるだけ早くご相談ください。

- 口を開け閉めする時、顎が痛む
- 顎からゴリッ、ガクッといった異音がすることがある
- 口を大きく開けられない(指3本分開けられない)
- 顎関節を押した時に痛む
- 口の開け閉めが辛い、できない(ロッキング)
顎関節症になったら、やってはいけないこと
顎関節症の診断を受けた方、顎関節症が疑われる方は、以下のようなことは避けましょう。顎関節症を悪化させるおそれがあります。
硬いものを食べる
ナッツ類、フランスパン、するめ、硬い肉や生野菜など、好物であっても、硬いものはできるだけ控えてください。顎に負担がかかり、症状が悪化します。
必要以上に噛む・無理に口を開ける
顎を鍛えようと必要以上に噛む、ストレッチのつもりで無理に口を開けるといったことはお控えください。
どちらも、症状を悪化させるおそれがあります。
ストレスを溜める
ストレスは、顎関節症の原因の1つとなります。ストレスが溜まると無意識に全身に力が入るため、顎の筋肉も緊張し、顎関節症を引き起こすものと考えられます。
ストレスは溜め込まず、小まめに解消しましょう。
うつぶせ寝・頬杖
どちらも、顎に不正な力がかかり、顎関節症の原因になると言われています。癖になっている人も多いかと思いますので、意識して控えましょう。
猫背
前屈みの姿勢は、顎関節症の原因や悪化因子になることがあります。普段の姿勢に気をつけましょう。特に、パソコンでの仕事中、スマホ操作時などは、姿勢が悪くなりがちです。
日中の食いしばり
何かに集中している時、緊張している時などは、無意識に食いしばりが起こりがちです。仕事中など、意識してお口まわりの筋肉をリラックスさせ、食いしばりを防ぎましょう。
左右どちらか片側の顎ばかり使う
食事の時、いつも左右の顎のどちらかに食べ物が偏っていないでしょうか。特に奥歯の虫歯、歯茎の痛みなどがある場合、症状のない側の顎ばかりを使いがちです。
必要に応じて、虫歯などの治療を受け、左右の顎をバランスよく使いましょう。
顎関節症は一瞬で治せる?すぐ出来る対処法
顎関節症は、歯科医院でもセルフケアでも、一瞬で治せるというものではありません。
ただ、以下のような方法によって、症状を改善できるということがあります。
咬筋や側頭筋のマッサージ
頬骨~エラにかけて付着する「咬筋」、こめかみ~耳の上にかけて付着する「側頭筋」のマッサージです。
咬筋マッサージでは、指4本をエラに当て、優しく円を描くように筋肉をほぐします。
側頭筋マッサージでは、指4本をこめかみに当て、同様に優しく円を描くようにして筋肉をほぐします。
※痛みの出ない範囲で行ってください。
顎関節のストレッチ
顎関節を動かして可動域を改善させたり、痛みを軽減させるストレッチ(モビライゼーション)です。
- 舌の先を上顎につけます。
- エラの1~2センチほど上方に、左手の人差し指を当てます(⑤で顎の動きを確認するための指です)。
- 口を軽く開きます。
- 右手で握りこぶしを作り、顎の先に当て、後方への力を加えます。
- 左手の人差し指で「下顎が後方へと動いた」ことを確認すれば、元に戻します。
※左右の手は逆でも構いません。
※痛みの出ない範囲で、10回ほど繰り返します。
割り箸トレーニング
まずは口を開き、少しずつ閉じた時、上下の歯がどの部位で最初に接触するかを確認します。その上で、最初に接触した部位に応じて、割り箸を使ったトレーニングを行います。
顎のバランスが整い、症状の改善が期待できます。
※痛みのない範囲で、軽く噛んでください。
前歯が最初に接触する場合
左右の奥歯で、横向きにした割り箸を30回噛みます。
奥歯が最初に接触する場合
前歯で、横向きにした割り箸を30回噛みます。
右側の歯が最初に接触する場合
左側の歯で、縦向きにした割り箸を30回噛みます。
左側の歯が最初に接触する場合
右側の歯で、縦向きにした割り箸を30回噛みます。